株式会社みずほの山中様にグループホームについてのお話をうかがいました。
運営されているからこその苦労や工夫、たくさんお話していただきました。
株式会社みずほ
取締役会長
山中信彦 さん
出身地:兵庫県丹波篠山市
ご経歴
1955年 兵庫県丹波篠山市生まれ。篠山鳳鳴高校、関西学院大学経済学部卒
1979年 全日空入社
1991年 瑞穂さんの病気を機に全日空退職、故郷丹波篠山へ
2003年 NPO法人いぬいふくし村開設
2015年 障がい者短期入所「おかえり みずほの家」開設
2010年「丹波篠山城築城400年祭お城ドーナツ」主宰
2012年「東日本大震災から1年忘れない3.11 お城ドーナツ」主宰
2015年「丹波篠山手話うた音楽祭」主宰
2016年「兵庫・丹波篠⼭とっておきの⾳楽祭」主宰
愛娘瑞穂 さんが24歳の⽣涯を閉じられた後も障がい者の「⽗」となり、障がい者への理解を深めるため、様々な活動を継続。ひょうごユニバーサル 社会づくり賞知事賞(団体)、篠⼭市ふるさと功労賞(個⼈)、 井植⽂化賞(個⼈)、ベストファーザー賞 IN 関⻄(個⼈)を受賞。神⼾新聞「随想」7回連載。
アワード
2010年11月3日 丹波篠⼭市ふるさと功労賞
2014年10月4日 第38回 井植⽂化賞 地域活動部⾨
2016年6月13日 第10回ベストファーザー賞 IN関西 受賞
2018年 グッドデザイン賞 地域・コミュニティづくり部門受賞
2019年5月1日 丹波篠⼭市特別感謝状
2019年 IAUD国際デザイン賞 地域計画部⾨銀賞
株式会社みずほ
社名の由来:⼭中瑞穂さんは、⽣後まもなく脳炎を発症し、⾝体障害と知的障害が残りました。篠⼭養護学校卒業後は、⽗、信彦さんが学校などで講演するときは瑞穂さんも⼀緒に出かけ、福祉への理解を深めるのに⼤きな役割を果たしました。瑞穂さんの存在が、丹波篠山の福祉を充実させ、⼤きく成⻑させたと⾔っても過⾔ではありません。「⼀⽣懸命⽣きる姿に勇気をもらった」という⼦どもたちの声でもわかるように、たくさんの⼈々の⼼に命の輝きを届けたのです。瑞穂さんは、2009年11⽉、24歳で天国へ旅⽴ちました。しかし彼⼥の命の輝きは、今もたくさんの⼈の⼼の中できらめいています。
[兵庫県⼈権教育研究協議会広報誌より]
♡山中瑞穂さん、命の輝きいつまでも♡
株式会社みずほ
代表取締役
山中信人 さん
グループホーム
ななつ星管理者
施設
みずほの家 住所:丹波篠山市北新町48-20 定員:9人
(障がい者短期入所施設・障がい者日中一時支援事業)
ななつ星 住所:丹波篠山市北新町53-3 定員:6人
(障がい者グループホーム)
ひこうき雲 住所:丹波篠山市東吹646 定員:10人
(障がい者短期入所施設)
INTERVIEW
2015年に「みずほの家」、2017年に「ななつ星」、2019年に「ひこうき雲」と設立をされていますが、どのような想いや展望をお持ちで進められたのですか?
通所系の障がい者福祉サービスに比べ、夜間帯の介護や見守りが必要なグループホーム、短期入所の施設事業所が著しく不足しています。障がいのある人の住まいや居場所を一室でも多く提供していきたいと思いました。
3か所の事業をはじめる際、最も重視されたことは何ですか?
会社の指針でもある「障がい者と家族の心に寄り添う!」。
このテーマを社員全員が実践していくために何ができるのかを重視しました。
運営される中で重視されていることは何ですか?
ショートステイでもグループホームでも利用者様を預かる責任は重大です。事故をおこさないことは最重視していますが、あわせて「ただいま」、「またここに来たい」と言ってもらえる場(雰囲気)を作ることに注力しています。
あと食事は大切ですね。皆さんが楽しみにしています。出来立ての温かい手作りの料理を予算をかけて提供しています。食費だけで計算すると赤字なんですけど・・・元気の源ですのでこだわっています。また栄養が偏らないよう栄養士さんに月間の献立を作成してもらっています。
事業を継続(成功)させるには、どのようなポイントが必要ですか?
まだまだ成功したとは思っていませんが「ロマン(理念)とソロバン(経営)」のバランスは重要だと思います。双方がないとこの仕事はできないと思いますが、ロマンが勝ちすぎるのもソロバンが勝ちすぎるのもよくありません。そこが難しいところでありますがポイントではないでしょうか?現在は、私がロマン、息子である社長がソロバン的なところで、上手くバランスが取れているかもしれません(笑)
近隣とも非常に良い関係と伺いましたが、ポイントはどういった点ですか?
近隣の方の立場になって考えるようにしています。福祉事業なので理解してもらえて当たり前なんて思ったら大間違いですね。近隣の方が不安に思われるのは当たり前、逆の立場でしたら私も不安に思います。近隣の方の不安を取り除くために何ができるかを考えて提案し、相互理解を深めることが重要だと思います。まずご近所さんのご理解や協力がないとできませんから。
スタッフの皆様もとても明るく熱心な方ばかりですが、重視されている点をお聞かせいただけますか?
会社のトップの思いが大切だと思います。「利用者、利用者のご家族を第一に考える」これは徹底しています。このコンセプトに賛同していただける方が少しづつ集まり、現在では30人程のスタッフ数になりました。弊社HP内の検索トップは実は「スタッフのページ」なんです。利用者、利用者家族の皆様がもっとも気になるところなのでしょうね
今後の展望についてお聞かせいただけますでしょうか?
来年の3月に日中支援型のデイサービスを開設する予定です。施設に併設される施設の方向けのデイサービスではなく、通いで利用できるオープンなデイサービスです。
比較的重い障がいがお有りの方も自宅から通えるような場を考えています。看護師なども必要になってきますのでまったく新しいチャレンジです。
理想に思われるグループホームの建物はどのようなものですか?
一番の理想は、入居者が決まってからその入居者にあわせた建物を建設することでしょうね。ただ期間や予算、入退去もありなかなか難しいですね。
現実的なところでは独立キッチンがよいかもしれません。調理の方が集中できるのはもちろん、安全面や衛生面もその方がよいかなと思いますし、入居者の皆さんも夕方安心して団欒できるリビングになると思います。
新規で共同生活援助の事業をお考えの事業者様にメッセージがございましたらぜひお聞かせください
今年、国内の入所施設の部屋数が約15万床、グループホームが約16万床とその数がようやく逆転しました。国の方針で施設から地域移行で推進していますが逆転まで15年以上要しました。なかなか伸びない要因は、地域の理解やスタッフの確保、入居者の相性なんかもあります。あと建物も既存住宅の改装では限界があります。新築も予算がハードルになります。しかし、利用者、利用者家族の方々に喜ばれる場所を実現できれば、近隣の方の理解を得られ、近隣の方が自慢できる場所にもなるでしょう。
働く人も同じ。ここで働きたいと思っていただける方が集まり好循環が生まれます。
もちろん皆様がそのように思っていただけるような建物も重要ですね。
大変お忙しい中インタビューにお答えいただきありがとうございました。
山中様が、利用者様と利用者様のご家族を第一に考えられていることがよくわかり、こちらも大変勉強になりました。
新しい事業や、運営のことなど今後も聞かせていただきたいです。
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